果たして、フリーターを公務員として大量に雇うとか、非正社員で解雇された人に対して5年間雇用保険を支給するといった政策が国民の合意を得られるだろうか。少なくとも、大量の正規公務員を臨時採用する政策が合意を得られるとは考えられない。実際、大阪府箕面市では3人の採用枠に320人の応募が殺到し、競争率は100倍、同様に大阪府吹田市の場合、募集人員5人に対し2362人が受験し、倍率は472倍という異例の高水準となっている。
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どちらも正職員としての募集なだけにこういう人気となっているのだが、不思議なことに、こんな倍率になっても、「市役所の職員採用を増やすべきだ」と世論は高まらない。自助努力意識の強さや公務員への嫌悪感、増税への警戒感もあろうが、「働く場所は探せばあるだろう」「人手不足の業界・職種もあるじゃないか」という意識が根強いこともあって、雇用を直接創出しろという議論は起きていない。つまり、人口減少・高失業率社会という現状は、セーフティーネットの在り方にも大きな影響を及ぼすということである。人手不足であるにもかかわらず、失業者が溢れている、景気次第で雇用は好転する可能性があるということは、手厚いセーフティーネットを無条件に整備するということにコンセンサスを築きにくいということを意味する。今回の金融危機に合わせて言うと、非正社員に対する雇用対策も人口減少・高失業率社会の大きな影響を受けるということである。いくら非正社員の若者が気の毒な立場でも、働き手・納税者が減り、高齢化社会を維持できないのにもかかわらず、税金をさらに使って若者の働き場所を増やすなんて……しかも、働く場所は選り好みしなければいくらでもあるじゃないか……、もう少し待てば景気が回復して雇用失業情勢は改善する……という議論がどうしても主流になるということだ。