企業内部で技能形成を行うというメカニズム自体が消滅することになる。このように、日本型雇用システムの構造変動とは、労使関係/技能形成/労働生産性という機能連関において、技能形成の項が消滅することでもある。少なくとも技能形成の機能は低下することになる。それは雇用システムそのものの機能的衰退を意味している。すると、もし既存のものとは異なる雇用システムが形成され、それが新たな機能連関を形成するのであれば、
「職業別労働市場」と呼ばれる雇用システムとは... の続きを読む
Sさんは「どうなるか判らないなら、B社に転職してしまいたい」と考え、B社人事に打診をしてみることにした。しかし、返ってきた答えは、微妙なニュアンスのものだった。「現場はSさんのようなキャリアの人を欲しがってはいるんです。けれど、とにかく今はばたばたしてましてねえ……中途採用の計画も白紙撤回といったところなんですよ。いっそのこと、合併が完全に破談になってくれれば、これまでの計画を進めて、Sさんを採用
会社に振り回されたくない... の続きを読む
“奉公構い”という言葉がある。もともとは豊臣秀吉が作った制度で、その後、江戸時代にまで引き継がれた。ひと言でいうと、大名が家臣を囲い込むためのシステムだ。たとえば、ある大名が、自分の許可なく勝手に家臣を辞めた人間を“奉公構い”扱いと宣言したとする。すると、どんなに有能であっても、他家はけっして彼を採用できない仕組みだ。要するに、人を組織に縛りつける手段と考えていい。「七度主君を変えねば真の士にあら
奉公構いと終身雇用... の続きを読む
技術に関しては、情報技術の飛躍的発展である。情報技術の開発はもとより、情報技術に基づく製品開発やその生産効率性は、全体設計(アーキテクチャーやソフトウェアの優劣に決定的に左右され、そして全体設計の優劣は、個人の創意や意欲に依存する。あるいは製造技術に関しても、その核となる技術は半導体チップスの上にモジュール化され、それ自体は規格化され標準化された部品となる。すると、ここからの結論は次のようなものと
日本型の職能システムは機能的に劣位?実際の成果を重... の続きを読む
前の仕事の経験が、新しい職場で活きることは重要なのだが、前の仕事の方がレベルの高い仕事をしていて、次の職場の仕事のレベルが下がるような場合、人は幸福感を感じにくい。よくある失敗例は、前の仕事の経験で完全にこなせる仕事で次の会社に転職し、給料は上がったのだが、仕事には常に不満かある、というような場合だ(私も経験がある)。仕事をこなすうえでは余裕があるのだし、それで給料が高くなっているのだから、割のい
仕事に成長がある... の続きを読む
若年層は結婚して独立した世帯を形成し、雇用と所得を安定させ、そして住まいを確保するところから暮らしの「梯子」を登り始めると考えられている。しかし、標準パターンのライフコースを歩む人たちは減少する一方である。家族の「梯子」では結婚しない人たち、世帯形成の遅い人たちが増加した。未婚率は上昇し続け、一九八〇年から二〇〇五年にかけて、三〇〜三四歳の男性では二二%から四七%、同年齢の女性では九%から三二%に
非正規社員の割合が上昇する一方... の続きを読む
人間は、いくら頭の中で壁を突き破りたいと思っても、体で習得しなければそれなりの域に達することはできない。一方、いったん体が覚えると、生涯そのワザを忘れなくなる。それと同じように、過去に何かで一番になったことのある人は、体がそれを覚えていて、つらい状況に遭遇すると、「大丈夫、前のようにやっていける」という信号が出るのだと思う。とりあえず、今までの人生の中で自信につながったことを思いつくままに書き出し
自信の積み重ねが新たな自信を生む... の続きを読む
日本の経済システムは「組織指向型」のシステムというものであり、雇用に関しては、それが特定企業への定着を制度化するようなシステムであった。しかし、環境条件の変化は市場競争をますます激しくするのであり、ゆえにこのようなシステムが適応不能となるのも当然である。必要とされるのは、「市場指向型」のシステムであり、すなわち雇用を流動化するシステム、転職を活発化するシステムへの転換、つまりは「定着型」の雇用から
「組織指向型」ではなく「市場指向型」へ... の続きを読む
景気が良くなり、企業の経営状況が良くなると、雇用の問題は自ずから解消されていくであろう。では、具体的に、どのような政策を進めれば雇用というケーキを大きくすることができるか。まずは、日本の産業の競争力を高めていくことが必要であろう。競争力を高めるためには、生産性が向上するようなシステムを設けることが必要であろう。そのためには、生産性の高い人に優先的に、雇用というケーキを食べてもらう必要がある。そうな
雇用の問題は自ずから解消されていく... の続きを読む
勤続二〇年で時間給八五〇円というパート賃金は、最近では若者たちの間にも波及している。大学を卒業した二〇歳代の男性は、コンビニに責任者として勤務しているが、彼の身分は契約社員で、昼間の勤務が時間給八〇〇円、夜間の勤務で1000円である。時給八〇〇円といえば東京の最低賃金七一四円を上回る水準ではあるが、単身生活でも、住居を確保し、水道光熱費や通信費を支払ってその日その日を工夫してぎりぎりの生活をつなぐ
フリーター資本主義... の続きを読む
信頼関係は「心理的契約」と言い換えてもいいだろう。「心理的契約」とは相互に信頼しあい、お互いが相手の成功のために助けあうような関係を築くことだ。ということは、雇用主たる企業は学生の就職活動の成功や人間としての成長を第一に考えることが必須となる。就職活動を通じて「学生を育てる」という意識を企業側か持つことで、信頼関係(心理的契約)が生まれるのである。信頼関係を築くことができた学生はぜひ採用したいもの
変革人材にターゲットを絞った採用... の続きを読む
「短時間労働者の雇用の改善等に関する法律(パートタイム労働法)」では、パートタイマーを雇用する事業主に(1)雇い入れ時に労働条件を記した文書を交付する(2)パートタイム労働者用の就業規則作成時にパートタイム労働者の代表の意見を聴くよう努める(3)常時10人以上のパートタイム労働者を雇用する場合に短時間雇用管理者を選任する、などの責務を規定しています。また、パートタイム労働者の雇用管理の改善に努め、
パートタイマー戦力化のコツをつかむ... の続きを読む
現在はユニットリーダーとしてチームリーダーやチームメンバーを評価し、チームが上げた利益を配分する立場だが、そこではどんなことを重視しているのか。「基本的に社員は全員起業家であるべきなので、起業家としての資質を非常に重視します。日常業務ができるだけではあまり評価にはなりません。それは派遣社員の方々にお願いしていますから」具体的には、問題が起きた時の態度や対処の仕方に注目する。海外のメーカーとの交渉を
メンバーの評価では起業家としての資質を重視... の続きを読む
果たして、フリーターを公務員として大量に雇うとか、非正社員で解雇された人に対して5年間雇用保険を支給するといった政策が国民の合意を得られるだろうか。少なくとも、大量の正規公務員を臨時採用する政策が合意を得られるとは考えられない。実際、大阪府箕面市では3人の採用枠に320人の応募が殺到し、競争率は100倍、同様に大阪府吹田市の場合、募集人員5人に対し2362人が受験し、倍率は472倍という異例の高水
人手不足でも失業者が溢れている... の続きを読む